about

「あらすじ」
新型コロナウイルスが広がる直前の2019年末、ジプシージャズバンド「山本トリオ」のライブを見るために大阪を訪れた。メンバー3人の音楽へのこだわりとキャラクターに惹かれツアーに同行する。   

ジプシージャズが他の音楽とは違う形で愛されていることに驚き、さらに日本各地で取材を続ける。

インターネットが普及するまで半世紀近く不遇の音楽だったことや、独自性が魅力である一方、それが同時に普及を阻む壁となっていることがわかる。 

しかし、ジプシージャズミュージシャンは独自の活動場所を開拓し続けていた。

音楽は情け容赦なく人を動かしていた。

ジプシージャズ

フランス生まれの音楽。誕生には諸説あるが、1930年代に欧州でジプシー(ロマ)のギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトとヴァイオリニスト、ステファン・グラッペリがつくったジャズの五重奏団に源流を求める声が大きい。その系譜は欧州のジプシーコミュニティー中心に脈々と受け継がれ、1980年代ローゼンバーグトリオやビレリ・ラグレーンといった才能あふれる音楽家が現れた。2000年ごろ日本でも浸透し始めた。